パーマ
【パーマの歴史】
パーマの歴史は古く紀元前3000年まで遡ることができます。そのころはエジプトで、アルカリを含む粘土をを髪に塗り、木の枝に巻き付けて毛髪に化学変化を起こし、髪にウエーブをつけていたようです。20世紀初頭ドイツ人のチャールズ・ネッスラーがアルカリ性の水溶液を髪に塗り棒に巻き付け、熱を加えることで髪に永久的なウエーブをつけることに成功しました。その後、薬品や加熱器具に改良を重ね、1940年代にアメリカでチオグリコール酸が加温せずにパーマをかけることができると発見され、現代の形に近いパーマが完成しました。チオグリコール酸は製法が簡単で臭いも少なく無害なので、世界中に広がりました。
【パーマとはどんなときに行うものか】
ストレートのスタイルに飽きて、ウエーブスタイルにチェンジしたいときや、トップがペタンとしてしまいやすくなり、自分でブローをしてもなかなかうまくボリュームを出せないときにもパーマの施術が有効になります。また、全体もボリュームが出にくい、全体に動きやボリューム感がほしい場合などにも行います。また、ウエーブにもいろいろ種類があり、毛先だけのワンカールや、根元からウエーブさせる場合もあり、その方のご要望とスタイルに合わせて作っていきます。
【パーマ時の髪の構造】
1本の髪の毛は3つの組織に分かれています。まずは、中心のメデュラ、中間のコルテックス、外側のキューティクルの3つになります。 パーマ液はこの毛髪の1番外側のキューティクルをはがし、中間のコルテックスの間を埋めているたんぱく質のマトリックス部分に作用していきます。このように、髪のかなり奥深くまで作用していきますので、髪の中のたんぱく質などの成分が流れ出やすくなりますので、適切な薬剤をしようすることやご自宅でのお手入れ方法も大切になります。
【パーマがかかる仕組み】
髪の毛のたんぱく質は18種類のアミノ酸から構成されていて、その中で髪の毛にもっとも多く含まれているのがシスチンになります。このシスチンはシスチン結合という結合でできていて、この結合は切り離したりくっつけたりすることができます。この特性を用いて、パーマの1液でシスチン結合というはしごのような繋がりを切り離し、2液によって切り離したシスチン結合を再びくっつけることで、パーマがかかります。パーマの場合は、ロッドに髪の毛が巻かれた状態でシスチンが再びくっつくことにより、新しいウエーブの状態で固定されます。
【パーマ液の種類】
昔からある方法で比較的スタイルチェンジが簡単なコールドパーマ 乾かすことによってウエーブが戻ってくる形状記憶のデジタルパーマ 低温で根元からしっかりかけられるエアウエーブ スチーマーなどで毛髪内部に水分を入れながら仕上げ、コールドパーマよりダメージを最小限に抑え、長持ちなクリープパーマ ナノスチームを使用してかけ、アルカリ性の薬液を多用せずパーマをかけていく水パーマ 化粧品登録されたパーマ剤を用いてかけ、カラーと同時施術が可能。パーマ独特のアンモニア臭もないコスメパーマ 以上の6つに分けられます。
【パーマをした髪の毛のダメージとケア方法】
パーマは髪の毛の内部のマトリックスという奥深くにまで作用し、ダメージを与えてしまうので、キューティクルが剥がれてしまい、健康な髪の毛に必要なたんぱく質が流れ出やすくなってしまいます。そのため、手触りが悪くなったり、パサついたり引っ掛かりやすくなったりしてしまいます。そのため、1~2カ月に1回を目安に、髪質に合わせて回数を減らすなどの考慮が必要になります。ケア方法としては、やはりご自宅でもトリートメントをしっかりしていくことが大切になります。このときに気をつけたいのが、ただキューティクルの表面をコーティングするものではなく、毛髪内部に栄養を入れていくタイプのトリートメントを選んで使用することが、髪の毛の表面だけではなく内部からケアできるのでお勧めです。また、しっかり時間を置くことや、ご自分の指で髪の毛の表面を滑らせるように整えてあげることも、より浸透させることができるので有効です。